株式会社で、議事録を作成することの必要性・重要性について、以下の3点が挙げられます。
①決議の内容を明確にし、後日に備えて記録しておくため
②会社法の規定によって
③法務局への添付書面・提出書類として
株主総会議事録は会社法第318条、取締役会議事録は会社法第369条第3項において、作成が義務付けられており、怠ると過料に処すると定められています。現実に過料に処せられた事例は私の知る限りでは聞いたことはありませんが、法令上はあり得ることですので、きちんと議事録を作成する必要があります。
また、商号の変更、本店の移転など株式会社の登記事項に変更が及ぶ場合には、法務局への提出書類としても作成する必要があります。
議事録作成の期限については、明確な規定はありませんが、議事録の備え置きに関して、「株主総会の日から10年間、株主総会議事録を本店に備え置かなければならない」と定められています。
この規定は、株主総会当日に議事録を作成する前提であることを踏まえたうえで、実務上はなるべく早く議事録を作成することが求められます。
また、会社法上、株主総会議事録の記載事項として、以下の項目が会社法施行規則第72条第3項に定められています。
Ⅰ.株主総会が開催された日時と場所
Ⅱ.議事がどのように進められたかの要点とその結果
Ⅲ.会計参与、監査役または会計監査人などが述べた一定の意見や発言の概要
Ⅳ.株主総会に出席した取締役などの氏名
Ⅴ.株主総会の議長の氏名
Ⅵ.議事録の作成の職務を行った取締役の氏名
実務上は、さらに株主の出席状況や議決権の有無も記載が求められます。
このように「法令上書かなければいけないこと」および「実務上書いておくべくこと」を漏らさず議事録に記載するのは、骨の折れる作業になります。
L&P司法書士法人では登記事項の変更を伴う会社の議事録作成はもちろんのこと、登記事項の変更を伴わない一般的な議事録の作成も致しますので、お気軽にご相談下さいませ。
(司法書士 浅野啓太/東京事務所)