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2016.6.03

遺言書を書く時には、自分の財産を把握することから

最近遺言書に書いておくべき事柄が漏れてしまっていて、それがために、せっかく遺言書があるのに相続人全員の協力を求めなければならないケースが散見されます。本来であれば遺言書に、「〇〇の不動産は相続人Aに相続させる」と書いてあれば、その〇〇の不動産に関してはAが他の相続人の協力を得ることなく自分名義へと変更することができます。これが遺言書を残す最大の目的です。ところが、書くべき事が漏れていると、その事柄に関しては「遺言書が書かれていない」のと同じ状態となります。以下、不動産に関して漏れやすい、言い換えれば権利を持っていることを忘れてしまいがちな代表例を列記します。
  ① 私道の権利
  ② ゴミステーションの権利
  ③ マンションの分譲駐車場
  ④ 増築部分を登記していないもの
  ⑤ 敷地内の別棟の建物
  ⑥ 遺言者がその親から相続した実家、田畑、山林

 これらは日常で意識することがないため、忘れてしまっていても仕方がない面も確かにあります。しかし単独では財産価値が小さいものであっても(特に①や②が典型)、本体の不動産に付属し、本体の権利を支えてくれる「縁の下の力持ち」と言える重要な権利です。Aが売却などする際には、これらの権利も同時に譲らなければ買主は買ってくれません。不動産の記載を漏らさないため簡単にできる対策としては、以下のものがあります。
  ① 市役所、町役場で名寄帳《ナヨセチョウ》を取得する
    (その市内、町内で保有する不動産が網羅された一覧表のこと)
  ② 権利証を確認する
    (権利証には不動産が書かれている)

 これらを見ることで大抵は解決されます。
 また、万一、漏れがあった場合の備えとして、「(遺言書に記載がない)その他一切の財産をAに相続させる」と書いておくことも重要です。これが保険となる場合もあります。

 せっかく遺言を書くのですから、相続人の方が手続きをスムーズに進められるよう、漏れのないパーフェクトなものを書いておきたいですね。

(司法書士 桑田直樹/神戸事務所)
L&P司法書士法人