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2016.5.23

~親権者と未成年者の利益相反行為について~

『親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない』と民法に定めがあります。

 一般的に、利益相反行為とは、複数の当事者がいる場合に、一方の利益となり、かつ他方の不利益となる行為のことをいいます。では、親権者とその子との利益が相反する行為とはいったいどのような行為をいうのでしょうか。
 具体的に事例を挙げて説明していきます。

 例えば、ある方から以下のような依頼を受けたとします。
 「この度、夫が亡くなったので、夫名義の土地について相続登記をしてほしい。相続人は妻の私と子供2人です。子供は2人ともまだ未成年です。」
 この場合、遺産分割協議をしないで、法定相続分どおりに相続登記をするのであれば、利益相反行為は問題となってきません。ここで問題となってくるのは、相続人の間で遺産分割協議をし、協議で決まった分割方法で相続登記をする場合です。つまり、親権者母と未成年者の子が共同相続人の場合に親権者である母が子を代理してする遺産分割協議は利益相反行為に該当するのです。

 利益相反行為に該当するか否かの判断基準については、親権者が子を代理してなした行為自体を「外形的客観的に考慮」して判断すべきであるとされています。
 要するに、親権者の動機や意図は関係なく、今回の事例で、妻は夫名義の土地を相続せず、子だけが相続するという内容で遺産分割協議をし、子には何ら不利益を及ぼさないものであったとしても、利益相反行為に該当することになります。そのため、この場合は、家庭裁判所に特別代理人の選任申立をすることになり、未成年者が複数いる場合は、未成年者ごとに選任申立をしなければなりません。そして、選任された特別代理人と親権者母との間で遺産分割協議をするという流れになります。

 他にも、不動産登記を通じて、親権者と未成年者の利益相反が問題となってくる場合がございます。ご不明な点等がございましたら、L&P司法書士法人までお気軽にご相談くださいませ。

(深木祐介/神戸事務所)
L&P司法書士法人