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2017.6.23

相続人の選択肢―――聞き慣れない『限定承認』

相続に関して、相続人の選択できる方法としては3つの方法があります。まずは「単純承認」であり、特別な手続きをすることなく、単に個人の財産等の権利と借金等の負債全てを受け継ぐことです。多くの方が知らない間に、この方法を選択しているかと思います。次が「相続放棄」で、財産も借金等の負債も全てを受け継がないことです。そして3つ目に、一般には聞き慣れないと思いますが「限定承認」という方法があります。限定承認とは、相続人が遺産を相続するときに相続財産を限度として相続することです。つまり、借金等が、相続する財産よりも多い(債務超過)時には、故人より相続できる相続財産を限度として、故人の借金等の支払をするということです。

 限定承認を選択する場合としては、以下のような場合が考えられます。
 ・故人に借金等の負債があるか不明な場合
 ・親の事業を引き継ぐような場面で、相続できる財産の範囲内であれば借金等も引き継ぐと考えた場合

 まとめると、限定承認とは、相続した人が、相続財産を使って故人の借金等を精算して、その結果、財産が余ればそれを引き継ぐという方法です。
 この方法を選択する場合、特別な手続きが必要なため、相続が発生した早い段階から、相続人および相続財産の確認が必要であり、相続するのか、放棄あるいは限定承認すべきなのか、そのような判断ができる状態を作ることが重要です。限定承認は、一見するとメリットばかりあると思われるかもしれませんが、限定承認をする場合には、以下の条件が必要となります。

①相続人となった方全員が共同で申し立てをすること。
②相続の開始を知った日から原則3ヶ月以内に「限定承認の申述書」を家庭裁判所に提出すること。
③申し立て後、相続債権者(故人の相続財産に対して債権を持つ人)や受遺者(故人から遺贈を受け取る予定の人)に対して5日以内に、「一定期間内に借金等の請求の申し出をして下さい」と官報に公告手続きをすること。
 また、相続人が把握している相続債権者や受遺者に対しては、個別の催告も必要となります。

 このように、借金等の存在が不明な場合は、限定承認という手段が有効かもしれませんが、そのためには上述したような条件が必要なため、高度な知識が要求され、手続きも複雑です。
 L&P司法書士法人では、相続手続きに精通する専門家がおり、お客様のニーズに合わせて相談に乗らせていただきます。相続の場面でお困りの際は、ぜひ当法人にお任せください。

(中山翔吾/大阪事務所)
L&P司法書士法人