以前このコーナーでご紹介がありましたとおり、不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)は法務局という役所において発行を受けることができます。従前は不動産の登記簿謄本は各不動産の管轄法務局でしか取得することができませんでしたが、コンピュータ化された後の登記簿謄本については、全国どこの法務局でも取得することができるようになっています。
ところでこの登記簿謄本ですが、ごく稀にコンピュータ化されていない物件が存在します。紙ベースで作成されていた従前の登記簿が、昭和63年の法改正によりコンピュータ化のために「改製」される段階で、何らかの問題があり改製ができなかった(=「不適合」だった)ものであり、これを改製不適合物件(俗に言う「事故簿」)といいます。
特徴としては、下記の点が挙げられます。
①従前の紙ベースの登記簿が現在も有効であり、謄本もそのコピーを基に発行される
②当該不動産の管轄法務局でしか謄本を取得することができない
また、通常の物件であれば、登記申請をオンラインにより行うことができますが、改製不適合物件に関しては、オンラインによる登記申請を行うことができず、管轄法務局に対して書面の申請書により申請をしなければなりません。
このように、登記簿一つをとっても様々な注意点があります。登記についてのご質問等がございましたら、L&P司法書士法人までお気軽にお問合せください。
(司法書士 藤原亮介/神戸事務所)