株式会社には株主名簿の作成が会社法により義務付けられています。しかし、株式の譲渡等があまりなされない会社では、株主の氏名や保有株式数の記録が更新されていなかったり、そもそも帳簿自体が作成されていない場合がございます。
昨今、法人格の悪用防止の観点から、不実登記防止の為の法改正が進んでいます。その一環として、現在商業登記規則第61条の改正が検討されています。この改正案が施行されますと、今後、登記すべき事項につき株主総会決議を要する場合(役員変更登記や本店移転登記、定款変更登記等、会社の変更登記のほぼ全てにおいて必要です)には、登記申請書に、大株主の氏名や住所、保有株式数や保有議決権数、議決権割合を証する書面の添付が必要になります。この書面の作成のためにも、正確な情報が記載された株主名簿が必要になります。
改正規則の施行は平成28年10月頃の予定とされておりますので、平成2年以前に設立の会社様ですと、名義株(※)があるかもしれませんし、株主に相続が発生して権利が分散していることもあり、実態の把握が急務となります。いま一度、御社の株主名簿の管理ができているかご確認ください。なお、会社法が施行されてから本年で10年になり、当時、任期10年として選任された方は役員変更登記の時期になります。
L&P司法書士法人では、任期管理等、会社・法人様の実態に即した手続きをお手伝いさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。
※名義株とは、株主名簿に記載されている株主と真の株主が相違していて、かつ名義貸人と真の株主の間での合意の下で株式の所有者名をその名義貸人としている株式のこと。
名義株が発生する主な要因としては、平成2年の商法改正前までは発起人として7名以上必要であったことから、名義貸しが頻繁に行われていたことの名残や、税法上の同族会社判定をのがれるため、本当は株主でないにもかかわらず同族外の者を株主名簿上へ記載してしまったというケースがあげられます。
(堂馬理恵子/大阪事務所)
会社経営者様へ、株主名簿は管理されていますか?
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