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2018.5.21

所有者不明不動産について

近年、「所有者不明の不動産」が社会問題化しています。所有者不明とは、端的に言うと「持ち主が誰なのかが分からない不動産」のことです。

 不動産の登記制度により、基本的には、その土地・建物の「登記簿」を見れば不動産の所有者が判明します。登記簿上の「名義人(所有権登記名義人)」がその物件の「持ち主」に該当するからです。しかし、その考え方が通用するのは、あくまで登記簿が、「権利移転の履歴を正しく反映している場合」に限られます。不動産登記には、公信力(※)がないからです。

 たとえば、ある土地の「名義人(持ち主)」が亡くなった場合を考えてみましょう。持ち主の死亡により、土地の権利は相続人に移転します。しかしこの場合、相続登記という名義変更手続きを法務局に申請することで初めて、土地の登記簿上の「名義人」を相続人名義に変更することができます。このように、権利が移転するたびに、実態に伴う登記を申請していくことで、「登記簿上の名義人」と「実態上の持ち主」が一致します。つまり、不動産に関する権利変動が登記簿に正しく反映されていれば、登記簿を見れば持ち主は一目瞭然となるため、所有者不明土地や空き家などの問題は生じません。
 しかし、昨今では「利用価値や資産価値がない」「遺産分割協議がまとまらない」などの理由で相続登記がされないまま放置される不動産が増えてきています。そのような理由で相続登記がされない間に、新たな相続が次々と発生すると、疎遠な親戚を含む手続きが必要になったり、相続関係が複雑化したりと、いざ相続登記をしようとしても、誰がその不動産の所有者なのかが分からない、という困った状況に陥りかねません。
 また、所有者不明不動産は単なる個人の権利関係の問題だけではありません。たとえば、地域の防災工事や災害復興の妨げ、土地が荒れる原因になったりと、さまざまな問題を生じさせるおそれがあります。ですから、所有者不明不動産を増やさないためにも、相続した土地・建物は相続登記を忘れずにしておくべきなのです。

 不動産の相続登記や相続人の調査などでお悩みの方は、ぜひ一度L&P司法書士法人にご相談ください。

(司法書士 中山翔吾/大阪事務所)

※[公信力]という用語については、後日のコラムでご説明いたします。(事務局)
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