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司法書士補助者とは?仕事内容や難しいといわれる理由を解説

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司法書士は裁判所や法務局などへ提出するさまざまな書類を作成する専門職ですが、司法書士をサポートする「司法書士補助者」という仕事があることをご存知でしょうか。

文字だけを見ると専門的で難しい印象をもたれがちですが、司法書士とは異なり資格は不要で、誰でも従事することができます。

本記事では、司法書士補助者とはどういった仕事を行うのか、仕事の難易度や従事する際の注意点なども詳しくご紹介します。

司法書士補助者とは?


司法書士補助者とは、その名の通り司法書士の業務をサポートする職種です。

司法書士は登記・供託の手続きの代理や簡易裁判所における訴訟手続きの代理などさまざまな業務を担いますが、書類の作成や法務局や裁判所への書類提出といった事務作業もこなさなくてはなりません。

案件の数によっては司法書士一人ですべての仕事をこなすことは難しいため、これらの業務の一部を司法書士補助者が行います。

ただし、登記申請や供託の審査請求手続・依頼者からの相談など、司法書士の資格を持っていなければできない業務も多く、これらは司法書士補助者が行うことはありません。

なお、司法書士補助者として働くうえで必要な資格や免許は特になく、実務を通じて業務に必要な知識を習得できます。

関連記事:令和5年度の司法書士試験の合格率は?合格後にやるべきことを紹介

司法書士補助者の仕事内容

司法書士補助者が担う業務は幅広く、能力やスキルに応じて仕事の幅も徐々に拡大していきます。

主にどういった仕事を担うのか、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

書類作成の補助

司法書士補助者のメイン業務ともいえるのが書類作成の補助です。

書類にはさまざまなものがあり、裁判所や法務局などに提出する不動産登記・商業登記に関する申請書類、訴訟関連書類などが代表的です。

書類への記載漏れや記載内容に誤りがあると手続きが滞ることもあるため、正確性が求められます。

また、円滑な書類作成をサポートするためにも最低限の法律知識が必要です。

依頼者への対応

司法書士補助者は依頼者と司法書士をつなぐ橋渡しの役割も果たします。

電話やメールでの対応はもちろんのこと、依頼者からの質問や相談内容を整理しながらヒアリングしたり、依頼にあたって必要な書類や資料を案内する役割もあります。

法務局や裁判所への書類提出

司法書士業務では法務局や裁判所に書類を提出する機会が多く、司法書士だけでは手が足りなくなるため、司法書士補助者が代理人として直接持参するケースも少なくありません。

また、書類提出後の受理確認や修正が必要な場合の対応も行います。

資料収集

対応する案件によってはさまざまな資料・情報が求められることもあり、それらを収集する業務も司法書士補助者の重要な役割です。

たとえば、不動産登記に必要な登記簿謄本や相続の手続きに必要な戸籍謄本、遺産分割協議書の取得などが代表的です。

事務作業全般

上記でご紹介した専門的な業務内容以外にも、事務所内で発生する一般事務も対応することがあります。

書類のコピーやファイリング・データ入力のほか、司法書士のスケジュール管理や郵便物の仕訳作業などが代表的です。



司法書士補助者として働くメリット

自分自身の将来やキャリアを考えたとき、司法書士補助者として働くことでどのようなメリットがあるのでしょうか。

実務経験を積める

特に大きなメリットとして挙げられるのが、司法書士業務の実践的な経験を積める点です。

不動産登記や相続手続きといった多様な案件に触れながら、書類作成や法務局への提出業務など司法書士の業務の流れを学べることは貴重な経験となるでしょう。

司法書士補助者として働くことで、将来司法書士資格を取得した後に即戦力として活躍できる可能性があります。

業界知識を得られる

法務業界の動向や実務面での知識を深められる点も大きなメリットです。

登記や相続、債務整理など、司法書士の専門分野は多岐にわたります。

実務を通してこれらの知識を身につけておけば、司法書士に限らず他の法務関連職種での活躍の幅も広がっていくでしょう。

人脈を構築できる

司法書士のもとにはさまざまな人が相談に訪れるほか、弁護士や行政書士など他の士業とも連携することがあります。

仕事を通じてさまざまな人との繋がりが構築できれば、業務で困ったときに相談に乗ってくれたり、あるいは自身が目指す将来のキャリアについて有益なアドバイスやサポートを得られたりする可能性もあるでしょう。

タスク管理能力が向上する

司法書士の業務は複数の案件を同時並行で進めることも多いため、司法書士補助者として働くことで業務の優先順位を考えながら効率的に仕事を進めるスキルが身につきます。

また、日々の業務において司法書士との密接なコミュニケーションが欠かせないため、「報・連・相」の徹底が習慣づき正確な情報共有の重要性も学べます。

関連記事:司法書士の就職先がないのは本当?就職率はどれくらい?



司法書士補助者になるのに資格は必要?

司法書士補助者になるための専門的な資格や条件について解説します。

資格は不要

司法書士になるためには司法書士試験に合格するか法務大臣の認可を受けることが条件となりますが、冒頭でも簡単にご紹介した通り、司法書士補助者の場合は必須となる資格はありません

ただし、さまざまな書類の作成補助や事務作業を担うため、一定レベルのPC操作スキルや事務スキル、正確性は求められます。

また、業務の特性上、法律の専門的な知識は大きな武器となるため、仕事をしながら勉強し知識を身につけていく姿勢も求められます。

補助者証の発行は必要

司法書士補助者は裁判所や法務局などへの書類提出を代行することができますが、これは司法書士の代理人として見なされているためです。

そのため、正式に司法書士補助者として業務に従事するためには、勤務する司法書士事務所から司法書士会へ申請・登録し「司法書士補助者証」を発行してもらう必要があります。

裁判所や法務局へ書類を提出する際には、この補助者証の提示が求められます。

また、補助者証には有効期限があるため更新手続きが必要です。

司法書士補助者は難しい?

司法書士補助者は専門的な資格が不要とはいえ、法律に関わる仕事であるため難しいイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。

たとえば、法務関連の実務経験がない方や、これから司法書士を目指す学生が司法書士補助者として仕事をする場合、以下の点は念頭に置いておく必要があります。

業務の正確さが求められる

司法書士の仕事は多くの場合、法律に関わるさまざまな手続きに必要な書類を作成します。

たとえば、裁判所に提出する書類としては訴状や答弁書、調停の申立書などが代表的です。

当然のことながら、弁護士のように裁判の弁護を行うことはなく、あくまでも書類の作成や提出などがメインの業務のため、依頼者にとってみれば書類の作成は「できて当たり前」とみなされることが多いのです。

それだけに、記載内容にミスや漏れが発生すると大きな問題に発展します

そのため、地味な作業でも集中力を維持しながら黙々とこなし、正確な仕事を続けるのが苦手な方にとっては「自分に合っていない」、「やりがいがない」と感じられるかもしれません。

繁忙期は激務

繁忙期を迎えると多くの依頼が集中し、残業を強いられることも少なくありません

たとえば、不動産登記は年度末や年末、相続に関する案件は確定申告の関係もあり年末に集中する傾向があるほか、親族が集まるお盆や年末年始、ゴールデンウィーク前後にも相談件数が増加します。

司法書士によっても得意分野は異なるため繁忙期のタイミングは異なりますが、案件が集中し激務を強いられる時期があることは念頭に置いておきましょう。

受験勉強との両立の難しさ

将来司法書士になるために、アルバイトとして司法書士補助者の仕事をしながら勉強したいという学生も少なくありません。

しかし、前提として司法書士試験のハードルは極めて高く、トータルで3,000時間程度の勉強時間が必要ともいわれています。

たとえば、4年制大学に通いながら司法書士試験の受験勉強をする場合、1日あたり3時間程度の勉強時間を確保しなければなりません。

このように考えると、大学の授業と受験勉強、そして司法書士補助者としてのアルバイトを両立するのは決して簡単なことではありません。

また、司法書士の勉強に役立つ実務に関わらせてくれるとも限らず、業務内容が一般事務や雑用ばかりでは働くメリットも半減するでしょう。

司法書士事務所によっては受験生への負担を考慮し休暇や業務内容の調整といった措置を講じてくれるところもありますが、すべてがそうとも限らないため注意が必要です。


関連記事:【40代・50代】司法書士の就職について|未経験から就職できるのか

L&P司法書士法人で補助者として働いてみませんか?

キャリアアップのために司法書士補助者として実務経験を積むためには、司法書士法人または司法書士事務所の求人を調べてみるのが第一歩となります。

しかし、司法書士補助者の業務は幅広く、雇用する司法書士の考え方や方針も異なるため、必ずしも実践的なスキルや経験が身につくとも限りません。

そのため、特に司法書士を目指す方が司法書士補助者として働く場合には、司法書士法人の特徴や採用方針をよく理解しておく必要があります。

 

L&P司法書士法人には多くの司法書士が在籍しており、不動産登記や法人登記、企業法務、相続・遺言、裁判事務などさまざまな案件を取り扱っているため、司法書士補助者として多様な経験を積むことができます。

また、採用後は新人育成プログラムに沿って基本的な業務内容を学び知識を身につけることができるため、実務経験がない方でも安心です。

正社員としての採用はもちろんのこと、パートやアルバイトとしての採用も行っているため、将来司法書士を目指している学生の方もお気軽にご相談ください。

まとめ

依頼者からの多種多様な相談に対応する多忙な司法書士にとって、実務をサポートする司法書士補助者はなくてはならない存在です。

司法書士補助者は、書類の作成補助や提出の代行といった幅広い業務を担います

司法書士とは異なり資格は必要とされないため、法律や司法書士の仕事に興味とやる気があれば誰でも従事できます。

将来司法書士を目指しており、実務経験を積みたいという方はもちろん、法律に興味があり仕事に役立てていきたいという方は、司法書士補助者に挑戦してみてはいかがでしょうか。

L&P司法書士法人では多様な案件を取り扱っており、未経験からでも実務を通してさまざまな知識・スキルを身につけられるため、まずはお気軽にご相談ください。

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